「秋の１試合目で怪我、一年ぶりやったんやけど....。思いっきり（プレイ）できました。」

QB#15は東京ドーム一塁側で久しぶりにフイールドに戻った歓びと勝利を噛み締めた。 ファーストシリーズでQB#15が自陣３４ヤードから投げた６６ヤードパスは佐藤(WR#80)が思いっきり跳躍.。伸ばした長い手の指先にマグネットでも仕組まれたかのようにスパッと音をたて、おさまった。

ロングパス、佐藤のナイスキャッチ、そして鮮やかな先制のタッチダウン。 フロンティアーズファンの誰もが先発QB#15の復帰を確認した鮮やかな一投だった。

完全復帰ですね、と声をかけたが「思ったところにボールが行っていない。手についていない感じ。試合に慣れたというカンジ.。次の試合までに細かいところを調整していく。」と客観的にプレイを評価。

しかし、「フイールドが良く見えた。」と言うとおり、QB#15の試合感覚はすでに戻っていた。一年以上の戦列離脱の陰はどこにもなかった。

３分11秒、コーチ陣からの「長いパスを生かしてくれ」の要請を試合開始早々、 前述プレイで成功させている。

昨年、９月１６日、大井第二球場のレナウン戦以降、QB#15はフイールドから消えた。コーチ陣に混じり、思いっきりプレーする選手をしっかりとサポートした。

選手に怪我はつきもの、とは言っても若手QBの活躍をサイドラインで見てきたこの１年間に焦燥感はなかったのか。

「やっぱりまあ、」とQB#15は率直に認めるが、次に眼光鋭く「いまでも次ぎの試合睨んでやっているんで気が抜けないところはあります。」 やってきたことには自信があります。次、出してもらえれば好い試合ができると思う。」と言い切る。

このポジティブな思考が頼もしい。すでに「（鹿島には）ぜひ勝ちたい。一試合も勝ったことがないので、ぜひ勝ちたい、鹿島は超えないといけない壁」。QB#15は次の試合のことを考えていた。一年ぶりの試合でチームが大きく成長したことも確認している。

「去年の第一試合では（いいプレイが）でないときチームがシュンとしていた。今年はひとりひとりが盛り上げてくれる。必ず誰かが盛り上げてくれる。」と満面に笑みを浮かべた。

今シーズンより選手登録で「#４」をつける予定だったQB#15.。この試合に「#４」が間に合わず「#15」をつけたと言う。なぜ間に合わなかったかは不明、「#15」で復活することにこだわりがあったようにも思える。

１年ぶりの開幕戦に、先発QBで出場し見事なカムバックを果たしたQB#15の名は中澤大輔。

（たかばきんぞう 17th sep '01）